ブリジット・リン

「夢幻SPACE」を立ち上げた一番の理由は、自費出版したブリジット・リンの本「The Last Star of The East: Brigitte Lin Ching Hsia and Her Films」宣伝すると同時に売るためなのです。ただし、この本は英語で書いたために、日本にいるであろうブリジット・ファンは興味を失うかもしれません。そこで、彼女のファンになりたてで、非常に舞い上がっていたころに書いた拙文を訂正・加筆してアップします。ブリジットのファンになってから出版にこぎつけるまでにはやや十年かかりました。すべては、ここから始まったのです。


究極の美人 その名は林青霞

私はいつでもブームに乗り遅れるタチだ。世の中がいかに「良い」と言って盛り上がっても、私自身がその価値を自分で認めない限り「良い」とは思えないから、どうしても人さまより2歩も3歩も遅れてしまう。しかし一度認めてしまうと、今度はとどめを知らぬ熱狂ぶりと化してしまう。

今、私が凝っているのはアジアを代表する大スターのブリジット・リン・チンシャー、こと林青霞だ。彼女の名前は映画を見るよりも前に知っていた。私が香港映画に興味を持ったのは昨年の9月頃で、ミシェル・ヨウ(日本ではM・キングともM・カーンもと呼ばれたこともある。漢字では楊紫瓊)の『ワンダー・ガールズ 東方三侠』と『プロジェクトS』を見たあと、二週間後に「ジャッキー・チェン・フェスティバル」で14本の作品を立てつづけに見たのがきっかけだった。この時はまだファンにはならなくて、『ポリス・ストーリー 香港国際警察』の解説の所に「ブリジット・リンはこの頃から男の服を着ている」と書いてある意味が不思議に思えた程度だった。

それから、12月の中旬に別の映画館で「香港映画フェスティバル」があり、ミシェルが主演している『東方三侠2』(原題は『現代豪侠傳』)と『詠春』(日本未公開)を見て、香港アクション映画は無視できないものだ、と自覚したのだった。たまたま、香港映画を特集したミニコミ誌のようなものを買うと『スウォーズマン/女神伝説の章』と『スウォーズマン/女神復活の章』(原題は『笑傲江湖:東方不敗』と『東方不敗:風雲再起』)の記事があり、「エンターテイメントと性別」について真面目に論じている。

これでブリジット・リンという名前がしっかりとインプットされた。同時に、映画館で上映される香港映画だけを見ていては限度がある、とも思った。偶然にも、この頃、もう3、4年間知り合いだった人から電話がかかってきて、取り留めのない会話をしているうちにその人が香港映画のビデオをレンタルして見ていると初めて知った。

翌日、ロサンゼルスから東へ25キロくらい行ったところにあるアジアン・コミュニティー、モントレーパークに連れて行ってもらったのは言うまでもない。こうして、やっと、林青霞映画にたどりつけたわけだ。が、本格的に林青霞ファンになるまでにはまだ紆余曲折がある。私はファンになると、その人に会って見たくなるという困った性格をしている。これはただその人をまじかに「見る」だけではなくて「会話」をすることも含まれる。それも単なる会話ではなくて、出来るならばインタビューをしたい。

私の中で葛藤が生じた。林青霞は20年以上のキャリアがあるトップ女優だし、結婚をしてからは休業状態だから(すでにこういう情報は知っていた)、ファンになると身が持たないだろう。それならば、キャリアをフォローするのが比較的簡単で会える可能性が高いミシェル・ヨウにした方が良いのではないか。(この頃は、アニタ・ムイは歌がうまい女優さんという認識を経て、実は歌手出身だとわかり、彼女のコンサートをLDで見たりしていた。

好きだけど、ファンと言う自覚はなく、コンサートへ行ったりCDを買っていた程度だった。)ところが、4月に初めて香港へ行ったときにインタビューの申込みをしたが、直前になってキャンセルされてしまった。そしてハタと気が付いた。私は自分に嘘をついている。本当に好きなのは林青霞ではないのか!彼女こそ一流のスターだし、映画は面白いし、演技もくせがないし、第一美人だ! 心がそう決まれば行動も早い。彼女に関する資料を集めだした。

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